着物いじり

またまたずいぶん間が開いてしまいました。
年末から年度末にかけてなんやかんやと忙しい時期を過ごしてはいたんですけど、相変わらず着物熱に浮かされていてw、襦袢の修繕をしておりました。実はかれこれ4ヶ月前、1月下旬のことです(つまり書いてアップするつもりがどんどん伸びた内容ですorz)。
どうしても「着物=値段が高い」ってイメージがありますけど、私がいじっている着物ってお下がりでタダで頂いたものとか、リユースショップやヤフオクで中古品を安く入手しているので、手間はかかりますがお金はさほどかかっていません。

先日、ヤフオクで正絹の長襦袢を300円(送料合わせると800円)で手に入れましたので、手洗いしました。

長襦袢(300円!)
長襦袢(300円!)

いいですか!! よい子は絶対に絶対にまねをしてはいけません!!!

通常、正絹のものは水洗いすると縮みます。普通はドライクリーニングをします。どうしても汗などの水溶性の汚れがある場合は「汗抜き」という方法で生地を傷めずに洗います。それでも取れないレベルの汚れは「洗い張り」をして生地を水洗いしてから板に貼り付けて乾かします。そうじゃないと縮んじゃいます。 ただ、これは送料含めても800円の襦袢です。親族の形見とかでもありません。しかも本来なら袖と衿下部分を切り離して「大うそつき」と呼ばれる二部式で袖が脱着可能な襦袢を作る予定だったものです。あまりにも縮みすぎて型崩れしてしまったらほどいて分解してしまえばいいということで、禁断の手段(?)を使いました。

↓こちらのサイトを参考にしています。

長襦袢の洗濯は自宅でできる!

この襦袢、たぶん着用回数は少ないんですよ。本来はすり切れやすいお尻とか膝のあたりとかに摩耗したような形跡がありません。おそらく着用後にお手入れをしないでタンスにしまっておいたら汗を吸った部分が変色してしまったんですね。 左右の脇のあたりと背中に黄変(黄色く変色したシミ)がありました。これ、絹にしみこんだ汗がある種の化学変化を起こして布自体の色が変わってしまっているので、悉皆屋さんで特別な工程で処理してもらわないと直りません。

背中の黄変
背中の黄変部分

でも、、、襦袢って表から見えるのは主に袖口と振りのあたりで、あとは歩いたり階段を上ったりするときなどに裾が見える程度です。背中とか脇のあたりにシミがあってもバレません。 当初は袖をほどいて、腰から下を切り取って裾よけにして「大うそつき」にする予定でしたが、これならこのまま着てしまおうと思いました。本体よりも10倍以上高いクリーニング代を払うぐらいなら、手洗いして着れば気分もスッキリです。
繰り返しますが、

よい子でも悪い子でもまねをするのはおすすめできません!(マジで縮みます)

そんなわけで、衿を外して薄めのエ○ールで手荒い。洗剤臭さが取れるように何度もすすいで、洗濯機で1分ほど軽く脱水。その後、濡れたままの状態で広げて低温のアイロンを強めに当てながら生地を伸ばしました。当然黄変した部分のシミにさしたる変化は見られません。水で落とせる範囲の汚れは落とせたはずですので、気分的にはスッキリですね。 実を言うと、この襦袢はほんの少しだけ私のジャストサイズより大きめでした。私は着物の裄(首の中心から手首までの長さ)が64センチなので、64センチぴったりだったこの襦袢はちょっと縮むとジャストサイズになりましたw 身丈も縮んだぐらいでちょうどいいw 半乾きの状態で室内に干して丸1日陰干しをしてもう一度アイロンをかけて伸ばしました。縮んではいるんですが結果オーライですw

洗面器に入れて押し洗い
洗面器に入れて押し洗い
アイロンで伸ばす
アイロンで伸ばす

衣紋抜きがついていなかったので、本郷台に住んでいた30年以上前の晒(おそらくオムツにするつもりで母がイトーヨーカドーで買ったもの)をタンスから引っ張り出して作りました。呉服屋で買ってきた絹とアセテートの交繊の半衿を一緒につけます。

さらしで作った衣紋抜き
衣紋抜き(さらしで作りました)
衣紋抜きと半衿
衣紋抜きを固定し半衿を縫い付ける

これでひとまずこの長襦袢は着用可能になりました! 汚れがついてできたシミと違って、黄変は残念ながら洗っても落ちません。赤の他人がつけた汗や皮脂汚れが水洗いで落とせる範囲で落とせただけです。とはいえ、外には見えない部分ですから、式典とかに出席するのでなければ十分です。

了子

追伸
wordpressのエディタが新しくなってgutenberg が本格的に実装されてしまいました。見出しレベルの大きさの文字に色をつけることができないし、htmlのコードで書きたいのにうまく行かない(;;) 執筆以前にPHPのアップグレードとか新エディタの訳の分からない機能になれる方が大変だわ(汗)