歌われることのない英雄叙事詩 目次

~はじめに~

 この「Un Sung Hero(歌われることのない英雄)」という言葉を知った時、まさに『ダイ大』でいうとバランのためにあるような言葉だなと思いました。地上侵攻を開始しようとしたヴェルザーを、バランが密かに倒していることは、人間の感知しない出来事でした。様々な事件を経た結果、バランは人間を討伐すべき対象と認定してしまうわけですが、そのことも相まって物語上では「歌われることのない英雄」というポジションに置かれることになります。そうは言っても、命を賭して冥龍王の地上侵攻を食い止めた行為は英雄的なものと言っても決して過言ではないはずです。

 バランにまつわる話には、当然謎が多いのですが、読者としてなんとなく納得できないといいますか、消化不良だと思う点がありました。特に人間からそれほど大事にされていなさそうだとか、使命を果たす上でもっと協力者がいてもいいだろうとか、(詳細が語られていないだけで)後ろ盾を得てソアラとは婚約ぐらいはしていただろうとか、何でテランにだけ龍の騎士伝説が伝わっているのかとか、潜伏先がテランの森って近すぎでしょうとか・・・。ツッコミどころ満載と思う一方で、語られない(歌われない)背景がきっとあるんだろうと勝手に考えていました。

 で、勝手に考えた私なりの答えとともにこの作品を書き進めているわけです。どこまで続けられるのか分かりませんが、自分が抱いた疑問に勝手に自分で答えていくための手段として、この作品を書いています。120%自分のために作っているものです。その過程で『ダイ大』およびバランを愛する方々とシェアできれば、また『ダイ大』読者を増やせればいいかな、という甘い見通しの元に書いております。ご一読の上、少しでも楽しんでいただければ幸いです。

~目次~

◆覚醒前夜◆

第1章 龍を探しに (1) (2) (3)

第2章 龍の騎士 (1) (2) (3)

第3章 エレミアと白い龍 (1) (2) (3)

第4章 再訪 (1) (2) (3)

第5章 長い長いドラゴンの話 (1) (2) (3)