了子:思いがけず長くなったので、続きです。
佳子:で、今度は私が聞く番だ。さっそくバラン篇の制作秘話を。
了子:う~ん。『ダイ大』にはまり直して、バランVSヴェルザーってどんな戦いだったのかなって。そもそもバランってどんな幼少期を送ったのかなって。それで、いろいろなサイトさんをめぐったけれど、そういうところをSSにしている方っていらっしゃらなくって。自分で書くかって思ったことがきっかけかな。
佳子:よりにもよって本編のアフターやビフォアーではなくてスピンオフビフォアーなんだよね。そこが『ダイ大』をある程度知っている一読者としては不思議な感じがする。なんで先代勇者たちの冒険譚ではなくて、ある種の悪役というかアンチヒーローを主人公に持ってくるのかなって。
了子:とにかく「バランが好き」ってことが最大の理由かな。ああなってしまった背景にどれぐらいの悲劇があるのか、読み手として作り手として興味があるというか。きっと歴代の騎士が人間につまはじきにされてきた記憶が蓄積されているんじゃないかとか。あと、アバンたちよりも背景が分からない分、捏造し放題で書きやすいということもあるかも。
佳子:バランってそんなに書きやすいキャラじゃないと思うんだけどなあ。独りで置いておくと、絵になるタイプだけど、文になるタイプじゃない。勝手にしゃべり出して動いてくれるようなキャラじゃないよね。
了子:まあ、確かに全く動いてくれなくてかなりの頻度でお話がつまるんだけど。手がかかる子ほどかわいいというか。それにしても、絵になるってことはそこそこバランを認めてくれている訳ね!?
佳子:うん、まあ。行動は子どもっぽいけれど、考えは大人かもなあって。
了子:何それ!? どういうことか理解できないんだけど!?
佳子:あくまで最終的にはってことだけど、自分の中の矛盾する部分とか見ないことにしてきた部分をしっかり見つめた上で、自分とダイたちにとっての最善の選択をしているんだろうなって。自分のやって来たことの是非はともかく、その事実は受け入れているというか。
了子:そ、そんな視点でバランを見たことなんてなかった。言われてみれば、魔王軍に加わっていたという過去をずっと引きずり続けているヒュンケルよりもそういう点では大人な対応かも。これはクロコダインも同じだけど。でも、この元魔王軍軍団長組の中ではヒュンケルだけが人間なんだよね。彼1人が引きずり続けるのも仕方がないような気もするけど。
佳子:まあ彼はまだ20歳前後だし。あれはあれでいい線行ってる方なんじゃない? ところで、ネタバレ気味だけど設定的に魔界の龍を仲間にするのはアリとして、何でまた太古には騎士の同族的な龍が存在したってことにしているわけ?
了子:(※紋章の力が完全に発動すると、歴代の騎士たちの記憶が徐々に継承されていく設定)佳子の『東方魔女異聞』の設定に一部便乗させてもらいたかったのと、知ると同時に失われてしまう存在がいることで、より孤独感が増すかなって。知らなければある意味気楽なんだよ。「へ~。俺ってそういう生き物なのか。それなら独りでもしょうがないか」で終わりじゃん。でも、過去には龍の騎士であることによって家族同然に扱ってくれた存在がいたってことが分かると・・・。
佳子:もういないのかorz というわけね。
了子:そう。なまじ寿命の長い龍が相棒だと、何代にもわたって共闘というか、バックアップしてもらえていたわけで。頼りにしていた相棒がいないってけっこうシビアな状況でしょう。そもそも「龍の騎士」って呼ばれているのに、相棒と呼べる龍がいないって変だなあと思っていたのよ。「騎士」なんだからさ。騎乗する龍がいないと。まあ、ぶっちゃけ「騎士」ってknightの翻訳であって「騎」という漢字にそんな意味はないんでしょうけど。
佳子:私が個人的に期待しているのは、ヴェルザー篇よりもアルキード篇なんだけど。そのあたりの予定は?
了子:知っての通り設定自体はできているよ。でも、ヴェルザー篇で「ヤツ」を登場させた上で騎士をめぐる歴史的背景とかをしっかり書き込んでからでないと、物語が動かないかなって。何で龍の騎士にまつわる伝承がテランのみで生きているのかとか。そういうこともできればツッコんで書いておきたい。龍と人間の間で起きた戦いの歴史なんかも踏まえて。
佳子:キリンよりも首を長くして待っていますので、ぜひしっかり文章にしてください。
了子:そ、それって「妖怪・ろくろ首」ってやつじゃん! それにしてもまだ書いてもいないのに、設定の存在をぶちまけて大風呂敷を広げちゃったじゃん。どうしてくれるんよ!?
佳子:だから、自分で責任取ればいいじゃん。それと、早く作品自体をアップしないと。
了子:何だか対談と言うよりも追及っぽくなちゃったなあ。
〈完〉