さてさて、この連載も久しぶりだ。父は老健に行き、佳子は自分の仕事(研究)に戻り、私(了子)はサイト改造が一段落して本来の執筆に戻ったわけだ。めでたしめでたしとまではいかないけれど、峠を一つ越えた感じだ。今後父を自宅で介護するか、どこかしらの施設に預かってもらうかはまだ決まっていないけど、とにかく一息ついて今後を考える時間をもらえたようなもんだね。
まあ、場合によっては私(了子)が実家に戻って介護要員に加わるのも選択肢の一つではある。ちょっと仕事との両立はきついけれど、特養の空きを待つぐらいなら仕方がないかもしれない。佳子はいい加減アルバイトを増やしてもっと収入を得たいみたいだけど、父がもう少し落ち着くなら介護をしつつ研究活動を続けるってのも選択肢としてアリではないかという気がする。本業、つまり軸さえぶれなければ何をやってもいいでしょうという自由度があるよね。以前のように夜間に徘徊したり暴力をふるう状況が治まらないとキツいと思うけど。
ではではさっそく本題に入りましょう。
ダイ大世界における一番のブラックボックス、それはやっぱり天界だろうと思うんですよ。魔界に関していえば、どうやら地下深くにあるらしいことが作品中で語られたり、描写されたりしていますし。どんな場所なのかという設定も、パーフェクトブックなどには紹介がありますし。要するに、魔界は天界に比べるとそこそこ設定がされていたことが分かるわけです。
それに引き比べると天界はさっぱり分からない。龍・魔・人の神は今なお天界で君臨しているのか。ヴェルザーの魂を封印したという天界の精霊とは神の眷属なのか、どの神の命令で動いているのか。神々はどの程度まで地上や魔界に介入できるのか。などなど作品を読解するだけではよく分からないことだらけです。
そうした中で、作中はっきりとその姿を現わしているのがマザードラゴン。ヴェルザーの回想に登場しているのが天界の精霊たちということになるわけですが・・・彼らの(特に後者の)情報って少ない。
マザードラゴンという存在も、物心ついたばかりの龍の騎士に認識されているのだろうか? バランは湖底の神殿を訪れた経験がなかったみたい(竜水晶と面識がなかったみたい)だから、おそらく成人後に紋章の力を使えるようになってから自身の素性やらお役目やらを知った可能性が高い。そうなると、成人以前の龍の騎士は龍が自分を地上に産み落としていったとは考えもしないのではないだろうか? そうであるならば、いくら周囲の人間に「お前は龍に運ばれてきた赤子だった」なんて言われても、納得できないに違いない。
そう勝手に設定を捏造してお話を書き始めたんですが、この母・息子って死に際から死後天界へ行く間ぐらいしかまともなコミュニケーションがないんですよね。どんだけひどい母親だよマザードラゴンって(汗)。完全にネグレクトというか、産み捨てでしょうよ、あんたがやっていることって。ちゃんと預ける人間を選んでいるんでしょうかね? どうも、その点は怪しいと思うんですよ。バランが特定の人間と安定的な関係を築いていて育てられていたようには見えない。騎士としての使命に目覚めるよりもかなり前から、人間とは没交渉に近かったのではないか。
(バランの紋章を受け継いでいたとはいえ)バランの死と遺体消滅の直後にマザードラゴンが回収しようとしたのはダイだった。自分の息子と孫の区別もつかないのか? と、私はあの場面怒りを感じながら読んでいた。むろんダイのためにではなく、バランのために怒っていた。まあ、バーン様に遺体を消滅させられてしまったから迎えに行く先がなくなっちゃったけどさ。だから紋章のありかを目印に出かけていったら、それが孫だったってだけなんでしょうけど。それにしても、最後の最後までつくづく親や上司など目上の存在には恵まれなかった人だなあ。
唯一の天界からの応援と思われるのがヴェルザーを封じた精霊たちだけど、あれは戦いの最中に得られた応援というわけでもなさそうな気がする。たまたまバランがヴェルザーの肉体を損壊することに成功して、しばらくは復活できなさそうだから「今のうちに魂を封じちゃえ」ってノリで戦闘後に行なわれてそう。お~い君たち、ヴェルザー封印する力があるんだったらバランの瀕死の重症も治療してあげてよ!
まあ、その後ソアラと出会ってダイが生まれることで地上は救われたけどさ。バランだけは救われていないような気がする・・・。ダイが無事でいずれ地上に戻ってくるということを想定したとしてもさ。もう少し父子で過ごす時間が与えられてもいいじゃん! と私はつくづくバランのあの最期には納得できていない。
了子