前回も引用した、バランの発言。
今でこそ竜(ドラゴン)は
怪物の一部とされているが
昔は人間以上の知識をもち
言葉をあやつる者のほうが
多かったのだ
『DRAGON QUEST―ダイの大冒険』第6巻(集英社文庫版、2003年)P130
気になるのは「人間以上の知識」って部分。相当進んだ古代文明なんかを築いていてもおかしくなさそうな気がする。だってキルバーンを送り込んだのはヴェルザーな訳で、おそらくああいう機械仕掛けの人形(精巧なロボット)を製造できるだけの技術とノウハウを所有しているってことでしょ!? すごいよ龍族。それにしても・・・量産はできなかったのかしら?
キルバーンに襲撃されたとき、キルバーンが遠隔操作可能なロボットだという可能性を、バランは考慮していない。ってことは、おそらくああいうタイプの敵と遭遇した経験が、バランにはない。つまりヴェルザーが所有していて使用可能なロボットは、あのキルバーン1体ってことになる。そしておそらくは、かつての対バラン戦の時にはすでにバーン様の元に派遣済だったってこと。
もし仮に龍族による古代機械文明なんかが存在していたのなら、龍の騎士の記憶としてバランにも継承されている可能性はありそうだ。バランが知恵ある龍をそれなりに買っているのも、そういう事情が背景にあるのなら納得できる。もし魔界編として続きが描かれていたなら、古代機械文明の遺産みたいな機械仕掛けの兵器が登場していたりして。で、当然それらに関する知識を紋章経由で継承しているダイ君が、華麗に操作したりして。
黒の核晶とかバーンパレスの魔力炉とかも、その手の知識は必要そうな感じがするんだよね。で、黒の核晶をストーリー上、最初に使ったことになっているのがヴェルザーってことを考慮すると、機械文明のそもそもの担い手は龍族だったと考える方が納得がいく。とはいえ、あれは魔力をこめて使う物だし、呪法が絡んでいるから魔族も開発に関わっていそうな代物ではあるけれど。
そうなるとやっぱりあれですか。文明が高度に発達した結果、資源をめぐる争いが龍族内で勃発したとか、生育環境が破壊されて個体数が減ったとか、隕石が落ちて来て大量絶滅したとか(←恐竜かよ)。何かしら人口ならぬ龍口が減るような要因が過去にあったんでしょうね。いったいどんな事件があったんでしょうか。まさか核晶のぶつけ合いなんかしてませんよね? ボリクスとヴェルザーの真龍の戦いなんてものがかつてあったぐらいだから、おそらく直近では兵器を使った大規模な戦争はなかったみたいですけど。
う~ん。ダイ大世界の人間よりも知識はあったのかもしれませんが、知恵があったとは言いきれないかもしれませんね。同じ龍族として仲良くやろうよって感じの知恵には欠けていそうだわ。そうでなければ、真龍の戦いなんかで無駄に龍口を減らすようなことはしないでしょうし。知恵ある龍がいなくなってしまった理由とも深く絡んできそうだけれど、知恵ある龍たちってどういう方向にどの程度の知識(知恵)があったのかしら。
今さらながら、人間が龍や魔族と世界の覇権を争うことなど無理なような気がしてくるんですが。肉体が頑健な上に相当な魔力を有する魔族と、巨体かつ強大なパワーの持ち主で人間以上の知識を持つ龍。それに対して人間は一体どう太刀打ちしたんだろう? どう考えても無理ゲーなんですけど!? 魔族とか龍族が持っていない特殊な力が人間にあるとは思えない。しいていえばチームワークは他の種と比べるとありそうだけど、それだけで何とかなるほど甘くなさそうだし。人数の多さで対抗できそうにもないし。
むしろ一番の謎は、「人間はどうやって魔族や龍族と世界の覇権を争ったか」になるんじゃないだろうか?
了子