年齢について思うこと―指導者として大人として②

いい年した大人として読んで考えるのが、本来前線に出て戦闘で指揮をとる指導者層がそろいもそろってひどく情けないんじゃないのかねってこと。技能は脇に置いて主要戦闘員の年齢だけで考えるなら、ヒュンケルとかラーハルト世代(アキームもここに入るな)が前線で指揮を執って、アバンとかバウスン将軍ぐらいの世代が将として軍全体の指揮を執るのが一般的なんじゃないかな。
で、重要なのが将軍っていざとなれば前線に出て、一兵卒としてもそこそこの戦闘力と戦闘技能を持っていて戦えること。「この人が前線に出てきたのなら絶対に負けない」と一般兵に思われるだけの技量と統率力と人格を兼ね備えていないとつとまらない。

そういう観点で考えると、軍の指揮者としてダメなんじゃないかとつくづく思うのがレオナとフローラ。二人とも口先では立派なことを言っているけれど、立場にふさわしいだけの実力はない。そういう点では彼女たちよりもバーン様(この人だけはどうしても敬称をつけたくなるw)の方が上だよ。部下を使うの下手くそ(大笑)だけど、二人とは違って口だけでなくご本人の戦闘力は最凶だしね。
単純な戦闘力ではダイに及ばなくても、アバンは最前線にいて主力メンバーの脚を引っ張らずにサポート役がこなせている。レオナは見事すぎるぐらいに脚を引っ張っていて、大して役になっていない。最終決戦を見ていくと、つくづくレオナはギャグ要員として「口だけ女」の役をこなしているようにしか見えない(^m^)

魔力炉に捕まって「助けて!」なんて言っているしw 自分の身は自分で守るといった直後でしょーにwww バーンにナイフで切りつけたまではいいけれど、速攻で瞳にされているし。自分の判断や言動に対して自分で責任を負うことができていない。それに対して叱ったり咎めたりする人間もいない。ある意味でかわいそうだけど、姫としてそうやって甘やかされてきたんでしょうね。あれ、成人後には通用しなくなるんじゃないかなあ。

意外とバーン様って紳士だよなあという感想があの場面を見ると漏れてきてしまう。あそこで(ダイを絶望させるために)レオナを八つ裂きにすることなんて簡単にできたし、女としてそれなりに気に入ったのなら強姦してもよかったし。問答無用でもっと残酷な扱いをすることもできたはず。切りつけられるまでは特に攻撃しなかったし、ぶっちゃけ瞳にするって攻撃のうちに入らないよね。むしろ命を落とさないようにバリア張ってもらったようなもんだしw

私だったら、2択だとしたらダイよりバーン様の手を取っちゃうんだけどなあ。あ、若い方じゃなくてじーちゃんの方が個人的には魅力的なんだけど。威厳は老人形態の方が圧倒的だし、格が違うよね~。部下だと爆弾埋め込まれるかもしれないけどw 後宮の一員になったら、特にじーちゃんの場合はけっこうかわいがってくれる気がするんだよなあ。ちょっとあの角でツンツンされてみたいかもとか考えちゃうな(←オイ\(- -;;)
(若い方だとSMプレイとかしているうちにいつの間にか殺されてそーだし(@@)「こやつを片付けて代わりをもて」とか言ってそーだし。ごにょごにょ)

閑話休題(汗)。個人的に、一般人だけどけっこうすごいと思うのがバウスン将軍。この人、リンガイアを壊滅させにきた超竜軍団と最前線でやり合っていて、自分以外にも複数人の部下と一緒に生き残っている。バラン+ドラゴン複数体の軍勢に襲撃されて、自分だけでなく部下もそろって生き延びるって、引き際の見極めとか上手い逃げ方を経験として知っていないと難しいはず。戦闘で一番困難なのは撤退戦だと言われているし。

バランが戦線に加わったのはフローラとの合流前(ここは本当に脚本が絶妙だと思う。バラン生存中にフローラが現れたら一触即発だよね)だけど、この状況を見て戦士として親としてどう思っただろう? あの状況なら、バランが指揮権をレオナ(&ダイ)から取り上げた方が絶対に事が上手く運んだはずなんだけど。
私だったら絶対二面作戦はしないな。そもそも戦力が少ないし、あの時点では回復役がいないに等しい。前線メンバーのレベルと体力を考えるとマアムのベホイミじゃ焼け石に水って状況だし。前線最大主力のバランが回復役として一番優秀っていうのもアンバランスすぎる(私はバランはベホマぐらいまで使えるとみている)。
ここは各個撃破。まずは親衛騎団を確実に倒すなり戦闘不能にするなりしてから魔宮の門を破壊しに行く方が確実に全員の生存率が上がる(龍の騎士って自分が生存することを全く念頭に置いていないのだけれど。親子そろってorz)

龍の騎士は(多分伝統的に)龍騎衆を率いているわけで、それなりに将としての経験もしてきていると思うのだけど、バランはあくまで人間側に一時的に力を貸しているってつもりだったんだろうな。人間たちが勝手に決めた方針に黙って乗っかっているだけだった。そこがあの戦いでは惜しいところだったな。
あんな口だけで実力の伴わない小娘(レオナ)とか、その小娘から指揮権を取り上げて小娘を前線に送り出す非情な女王(フローラ)とかよりも、最前線に出て身体を張れるっていう点でバランは将としては優れていると思うのだけれど。

第一次バーンパレス戦で敗北してどうにか生還したダイが、いったんアジトを抜け出してテランの湖に行くけど、あそこのシーン、大人になって見返すと本当にいい歳した大人たちに腹が立つんだよね。特にフローラに。私だけかな?
12歳の子どもを最前線に送り出して、自分たちはさも「後ろ盾」とばかりにその功績の一部をかすめ取って。今まで勇者一行をまとめてきたレオナから指揮権を奪って前線に送り出し、自分は比較的安全な後衛部隊を指揮する。はっきり言って薄汚い。
バランが「薄汚い人間ども」と言ったのはフローラに対してはとても正しいと思う!

ダイが姿を消したとき、レオナは「…どうしてそんなに悩んでいるんだったら私たちに打ちあけてくれないの…?」(『DRAGON QUEST・ダイの大冒険』第15巻 集英社文庫 2003年、P47 )と言っている。ここ、それ以前にダイに打ちあけてもらえるだけの信用がない自分を省みろよって思っちゃう。レオナの幼さというか、器の小ささが表れている。
このあたりで、ダイは「利用されている自分」に気づいたとも読めるんだよな。そして利用されていることも受け入れた上で、自分で自分の選択に責任を持つと腹をくくったというか。他人のせいにしないと覚悟を決めたというか。
フローラは姿を消したダイに「無理もないわ…」と言っているけれどさ、あんたたちの世代が情けないからダイのような年少の者が苦労して苦しんでいるんだよ? そこへの反省の念はないわけ? あんたには「自分に克てないような者では真の勇者とは呼べない…」なんて偉そうなことを言う資格はないと思う。人民の生命と安全を守れないような者は王と呼ばれる資格はないだろうよ。

そもそも古代とかだと「王」って宗教指導者(シャーマン)も兼務していたんだよね。たぶん卑弥呼とかもそうだと推定されているけれど。民から「王の資格がない」と判定されると、生け贄として神に捧げられる(殺される)運命だった。命をかけて職務に就いていた。「王」としての覚悟って点ではバーン様の方が上じゃないかな。自ら敵の主力と対峙しているわけで。きっと「力こそ正義」って考えに則って、それなりに魔界を治めていたに違いないし、そうしないと治まらない世界だったと思うんだ。

ソアラってダイを出産した時点で19歳だったとコミックスにはあったから、生きていたら31歳ぐらい。ちょうどフローラ(29)と同年配なんだよね。年若い我が子が最大戦力として最前線に赴かなければならない。それが分かった時点で、親ならば自分の無力さを嘆くと思うんだよな。自分に力があれば代わりになりたいと。
フローラにはいい歳した大人である自分が戦力として前線に出るだけの実力がなく、成人年齢に満たない若い人間を前線に送り出さなければいけないことへの自責の念が皆無というか、さっぱり描かれていない。まあ子供産んでいないから実感ないんでしょうけれど(私も産んでないけどさ)。それに、全員自国民ではないし、誰が死のうと知ったことではないしね。勝てば自分の功績で、負けてもそれほど自分たちに損害はない(考えれば考えるほどずるい)。ザボエラに対して「悪魔の頭脳」なんて言っているけど、それってかなりブーメランだって。

考えれば考えるほど、バランには親としてフローラをぶち殺す権利があると思うw
私がバランだったら、事情を知った段階で「女だから」なんて言っていないで即行で殺すわw!!
フローラ自身も年若いうちからハドラー戦役に関与はしていたけれど、それだから子どもを戦わせていいって論理にはならない。それじゃあ虐待された子どもが親になった時に自分の子供を虐待してもいいってことになるし。フローラファンの方には悪いけど、私は彼女をまっとうな大人として認められないわ。

(おわり)

了子