ちょっと現実逃避ついでに連投してこの世界の食事情について考察します。
ドラクエって(ドラクエに限らず日本のファンタジーって)中世ヨーロッパ的な世界観が舞台の背景にある感じがするんですが、たいてい登場する食事ってパンを中心とする洋食系なイメージがあります。
「サガ」にしても『ニーベルンゲンの歌』にしてもゲルマン系の英雄叙事詩が成立したのは1000年ぐらいから1200年代ぐらいで(確かアーサー王伝説が広まるきっかけもこれぐらいの時期だったはず)、まさにヨーロッパでは中世ど真ん中(でも物語の内容は成立した時代より数百年前の出来事なんだけど)。ルネサンスだとか宗教改革運動とかが起きる前で、封建制の時代で王様の臣下に騎士がいる感じの時代背景。主従関係って個人間で交わされているから、
ラーハルトが
「竜騎衆は元々 魔王軍の一部隊ではない!」
(『DRAGON QUEST・ダイの大冒険』第19巻 集英社文庫 2004年、P122)
と発言しているのは至極真っ当な感じ。
ある王様の臣下である騎士に従者がいたとして、この従者が騎士と同じ王様に忠誠を誓っている訳ではないんですよね~。
この頃のヨーロッパって、古代ローマ時代なんかと比べるとそれほど豊かな感じではないんですよ。確か気候が寒冷化していて小麦などの収穫率が悪かったはず。寒冷地でも栽培できて収穫率がいいライ麦なんかの方が庶民には手が届きやすかったみたいだし、アイルランドとか北欧なんかでは燕麦(オートミール)などをお粥にして食べる方が庶民の食卓では一般的だったみたい。
私もオートミールをお粥にして塩だけで味付けして食べるのは大好きだし、ライ麦100パーセントのドイツパンは見つけると即買ってしまう。日本でいうと雑穀ご飯みたいなノリだと思うんだけど、粗食で「貧乏人が食べるもの」ってイメージがあるものほど実は栄養価が高くて、現代人に不足している栄養素が取れると思う。食べるとしっかり身になるものをいただいて生きている感覚になるし。
閑話休題。パンって意外と厄介な代物だと思うんですよ。個人主義を誇るヨーロッパの食卓が個人では成立しないってところが面白いなと(個人的には)思うんですが、水車とか風車を動力に粉をひく(粉をひく人って賤民として差別されてた)、こねて寝かせてからかまどで焼くって工程を経ないと食べられません。
で、ある地域の領民は、その土地を支配している領主の所有している水車小屋で粉をひいて、領主の所有するパン焼きかまどを利用することが決められていて、利用料金が徴収されていた(!)って話なんですよ。今の税金の代わりですね。場所によっては村とかで共同のかまどがあって、燃料の薪は持参するとかあれこれ決まりがあったようですが、とにかく自分で作って自分で食べるってことが難しい。
日本のお米とは訳が違いますよね~。日本でもご近所総出で田植えとか稲刈りとかはしましたが、脱穀精米したらあとは自分の家のかまどでご飯炊けますからね。
ダイの記憶が吹っ飛んでしまった時、一時的にテランの森の小屋に避難しているシーンで、メルルがパンのようなものを持ってきていますよね。文庫版だと第6巻の終わりに収録されている「ダイ・レベル1・・・!!?」の冒頭です。
このパンってどういうツテで入手できたのかなって考えるんです。やはりテラン出身で身元が分かるメルルだから買うことができたのではないかなって。通りすがりの旅人が売って欲しいとお願いしたら、税金含めてけっこうふっかけられる恐れがあったんじゃないかなあなんて邪推してしまうんですよ。中世ヨーロッパ的世界観を照らし合わせると。
テランの森の奥に隠れ住んでいたバラン夫妻はどうやって食糧調達したのかなってちょっと心配になりますね。わざわざルーラで遠くまで買い付けに行ったのか、パン焼きかまどをバランがDIY的に自作したのか(私的には自作しそうな気がしますが)。王族の生まれであるソアラさんは当然小麦パンをよく食べていただろうけど、バランはライ麦パンとかポリッジ(お粥)が主食だったんじゃないかとか。一応お米も品種によってはヨーロッパで栽培されてますけど、主食の地位につけるほどの流通はしていませんし。
食事情とセットでどうしても考えが及ぶのが気候と風土。デルムリン島が南国描写満載なので、あのあたりは赤道に近いってことなんでしょうね。そう考えるとラインリバー大陸とかホルキア大陸なんかは小麦も栽培できるけど、むしろ米どころなんじゃないかとか、リンガイアとかカールは米どころというよりは小麦どころかなとか、オーザムはジャガイモがないと生き残り厳しいんじゃないかとか。余計な考えだよと思いつつ、各国の気候と食糧事情を想像してしまいます。
人口動態とか国力って、最大の基本は食糧事情で、「食べていける」状況でないと人口は増えませんからね。オーザムがフレイザードにあっさり潰されたのも、総合的な意味での国力(食糧生産高と人口)がなかったんだろうか?とか、ベンガーナはいち早く絶対王政的な支配体制に移行して重商主義を採用しているのかなとか(特にベンガーナがやたらと兵器の開発に走っている裏にアルキード事件が関与しているんじゃないかってことをよく想像します)。気候、風土、地勢を見ながら国の状態とかを想像するときりがありません(^^)
同じドラクエでも『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』で出てくる「パン」って何パンなんだろう?っていつも不思議に思います。日本で流通しているようなふんわりした小麦パンって腹持ち悪いよな。ここはサワードゥを使ったライ麦パンなんじゃないかな。それなら少量でお腹いっぱいだし腹持ちはいいよね(ちょっと固いけど)なーんて考えをめぐらせていたりします。
そうそう、パプニカで祝勝会的なことをしている時に、マトリフさんとかレオナがワインで酔っぱらっている一方で、クロコダインとかバダックさんはビールっぽいものを飲んでいますよね。同じ頃にカールを壊滅させたバランも、龍に城下町を焼き払わせるのをワインらしきものを飲みながら高見の見物してますし。バーン様が飲んでいるのもグラスや色から察するに赤ワインっぽい。
この世界に蒸留酒、いわゆるスピリッツってないのかなあ。日本なら焼酎とか泡盛、西洋だとウイスキー、ブランデー、ジン、アクアビットとかだけど、アルコール度数が高いから少量で酔っ払えるメリットはあるんだよね。ワインがあるならブランデーは製造可能だろうと思うんだけど、どうなんだろう?
なんだかいかにも飲んべえっぽい考察になっちゃった(^^;;
了子