さてさて、このシリーズも新段階に入ります。種族系の謎はひとまずおいて、これから少々ダイ大世界の歴史の謎についてつらつらと思うことを書いていきたいと思います。
歴史上の謎ってリアルの世界にもたくさんあって、タイムマシンがない限り解明できないってレベルのものも多い。恐竜の絶滅はどうやら巨大隕石の激突が引き金になったという説が有力になってきたけど、ペルム紀末に起きた大量絶滅は原因がはっきりしていなくていくつかの仮説がある状況。全生物の9割以上が絶滅しちゃったとんでもない時期で、よく教科書に出て来る巨大なワラジくん―三葉虫が絶滅したのはこの時。まあ、それをいうならまさに今この時代も大量絶滅が起きていて、もちろん原因はわれわれ人間。日本国内では少子化といわれているけど、地球規模でいえば人口増えすぎだよ。食糧確保の一環とはいえ、森林を伐採して海洋生物を大量に捕獲していたら他の生物は割を食いますって。
一人っ子政策には賛成しないし、安易な中絶を是認するつもりは毛頭ないし、断種手術なんてもってのほかだと思う。でも人口の増加が人類だけでなく生物全体の生息環境を悪化させていることはまぎれもない事実。じゃあ、どうするのかといわれても私の足りない頭ではよく分からないわ。私自身が子どもを産まないという選択をすることぐらいしか私にできることはなさそう・・・。それって日本にとっては決していいことではないんだけれどさ。
閑話休題。上に例として出したのは有史以前の話だけど、ジョン・F・ケネディ暗殺事件の真相とか、三億円事件の真相など未解決事件的な謎は結構ある。直近だと姿を消したマレーシア航空機はどこに墜落しているんでしょうね。で、ひるがえってダイ大世界の歴史年表(『JUMP COMICS PERFECT BOOK1 ドラゴンクエスト ダイの大冒険』(集英社、1995年、P138)を見てみると、「竜の騎士が誕生した」のは「有史以前」というくくりになっています(バランは「数千年におよぶ竜の騎士の歴史で」といっているので万単位ではないらしい)。それ以降の出来事としては欄外に「魔界の事件」として「魔界の剣豪ヒュンケル死亡」「冥竜ヴェルザーVS雷竜ボリクス」がありますが両方とも「数百年前」と書かれているだけ。おそらく書かれている順番的に見て前者(剣豪ヒュンケルの死亡)が昔に起きている出来事なんでしょう。
ダイ大世界の現在において大きな影響を残しているのはもちろん冥龍と雷龍の決戦な訳ですね。まあ、バルトスが拾い子にヒュンケルと名づけるぐらい、「剣豪ヒュンケル」は魔族やモンスターたちの間では語りぐさになっていることなんでしょうけど。寿命的に考えれば「数百年前」なんて魔族にとっては数十年前ぐらいの感覚でしょうね。でも歴史的に見てどれぐらいの偉業を成し遂げたのかは作品を読む限りでは不明。そういうわけで歴史上の謎第一回は龍王決戦を取り上げたいと思います。
なんだか前置きが長くなりましたが(前置きだったのかよ)、ヴェルザーとボリクスは何で戦っていたんでしょうか。ただ単にどっちが強いかはっきりさせて、勝った方が龍族の王になるとかそんな理由なんでしょうか。と、いうのもヴェルザーが最後の知恵ある龍なんていわれてしまうってことは、そもそも絶滅危惧種な訳でしょう。互いに争って種族全体の数を減らすことは全く利益にならないんですよ。「知恵ある龍」といわれるぐらいなんだから、それぐらいのことが分からないとは思えない。龍族の両巨頭が戦うことで利益を得られる第三者(魔族とか)の差し金があったとか、同じ龍族にカテゴライズはされていても種が違っていて利害が対立する事情があるとか複雑な背景があるのかなあと勘ぐってしまいたくなる。
魔界の住人たちとりわけ魔族と龍族がどういう生活を送っているのか、食糧や資源はどうやって調達しているのかが不明なので、どこに争いの原因があるのかは推測がしにくい。比較的水に恵まれている地域をめぐって争うとか、魔界では珍しく食糧が調達しやすい肥沃な土地を取り合って戦うとかそんな感じなのかなあ。魔界には太陽がありませんからねえ。光合成はできないでしょうから、太陽光がなくても生育できるように独自の進化を遂げた植物が存在しているのかなあ。特殊な進化を遂げた苔とかきのこ類なんかがあるなら、それらの生育に適した土地や地域があるかも。
他に考えられるとすれば・・・たとえば黒魔晶にこめた魔力を動力として簡単な機械を動かせたりするなら、黒魔晶という資源をめぐる争いがあってもおかしくないか。う~ん私の想像力ではこの程度が限界かな。地上にいる魔族の数が限られているところを見ると、誰もが魔界から地上に行けるわけではないのでしょう。あるいは、みんながみんな地上に行きたいと考えているわけではないのかもしれない。そうなると、地上への通用口をめぐって争うって可能性は低い。一体何を目的に戦っていたんだろう?
どうなんでしょう・・・知恵ある龍のみなさん。戦いたいから戦うんだって訳ではないことを祈っていますよ。それじゃあ知恵のない龍と変わらないというか、知恵のない龍たちよりもひどいじゃありませんか。無用な争いを避けるのも、生物として必要な知恵だと思うのですが・・・。何だかなあ。2015年という時代の世界情勢を鑑みると「貴様ら人間にだけは言われたくない!!!」と封印中のヴェルザー様にお叱りを受けてしまいそうだわ。本当にキナくさい世の中になってしまった。今言えることは「正義のための戦い」を主張する者こそが最もイカガワシイということだよね。そう、戦争がおこると儲かる人たちが戦争を欲しているのよ。「戦わない」という選択が最も勇気が必要で、なおかつ「負けない」ためにできる最大のこと。歴史はそれを如実に語っている。
了子